チコが我が家の猫になって、一ヶ月もすると、すっかり散歩になれ、また遠出にもなれた。 公園デビューについで、野山にもデビューしたわけだが、でも、ほんとのデビューは、田圃だった。 足慣らしにと連れ出した、田圃。 歩いていくには距離があるし、車でいくには近すぎるというので、自転車にバスケットを積んで、それでチコを連れ出した。 チコは、初めての田園風景に目を丸くした。田圃を吹き抜ける風に、鼻をクンクンとさせた。そして、じきに歩きたがった。 しかし、田圃のあぜ道には、じつに犬の糞が目だって、どうやっても、チコの白い脚を地面につけてやる気にはなれなかった。 仕方なしに、私は、チコを抱いてあぜ道を歩いた。 飼い主の散歩だ――犬を溺愛している人が、よくするアレだ(犬を抱っこして町内を歩いて帰ってくる散歩のこと) そして、この次は公園にいこう。そして必ず、そこで地面に脚をつけて歩かせてあげる――そう約束したのだった。 写真はクリックすると拡大します。

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