チコは雨が好き。 いつも水の音がする森の住人だったから。もちろんそれもあるけれど、でも公園の散歩については、もっと別の理由がある。 小雨の日の公園は、しっとり静寂、犬がやってこない。 だから小雨の日のチコは、「ニャハ、ニャハ、ニャハ」と声でテンポをとりながら、どんどん進む。(写真はクリックすると拡大します)

チコの肉球が、枯葉を踏みつけた。 枯葉が、肉球の下でかすかな音をたてた――そう思った。 けれども枯葉から音がすることはなかった。雨でしっとり濡れた枯葉に音などあるわけはなく、もし、音がしたとしても、チコの「ニャハ、ニャハ、ニャハ」という声にかき消されて聞こえるわけなどなかったのだから。
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